SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

07
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--

ゴニン デ イッシュ





        互いの読みを持ち寄ることで、
        歌の味わいが変わっていく(かも)。
        毎月ある短歌1首について5人が鑑賞文を書く、
        「山羊の木」の期間限定企画です。
<< 【第6回(逆)】松村正直 | main | 【第6回(逆)】荻原裕幸 >>
【第6回(逆)】加藤治郎
0
    gonin6kato


     電話がかかってくる。「切りまくる」というのだから、実際にはまず出るのだ。「出ようとしては」出て「切りまくる」ということである。意識が一部飛んでいるのだ。何回も電話がかかってくる。そして「切りまくる」。借金の催促でないとすれば、これは女性からの電話である。女性からしつこく電話がかかってくるのだ。女性からの電話に男も参っている。だから意識が切迫して場面が飛ぶのである。携帯電話を買い換えたのも、電話番号を変えるためだ。それもすぐ突き止められた。怖ろしい。下句は、ボタンの配列が逆ということだ。123456…ではなく、789456…と並んでいる。日常の秩序が狂っていく様を象徴している。
     句の構成は〈出ようとしては/切りまくる/買い換えた/携帯電話の/ボタンが逆〉で、7・5・5・8・6と読みたい。初句7音、下句の8音・6音は、猖榾雄調である。この歌の場合、いびつで不条理な感覚を反映している。



    加藤治郎(かとう・じろう)
    1959年、名古屋市生まれ。早稲田大学教育学部社会科卒業。現在、富士
    ゼロックス株式会社ソリューション・サービス営業本部勤務。ブログは、
    http://jiro31.cocolog-nifty.com/


    【第6回】他の4人を読む
    宇都宮敦――孤絶の希求が連帯の希求に重なる
    岡本雅哉――これだから自意識過剰な人は
    荻原裕幸――社会が社会の視点を取り戻した
    松村正直――すこぶる現代的な、デジタル時代の歌

    「ゴニン デ イッシュ」とは
    | 第6回(逆) | 01:17 | - | - | - | - |